最近、生成AIを使うことで、視覚障害者が苦手としやすい作業を、少し楽にできるのではないかと感じています。
目が見える人なら、画面全体を見て一目で状況を把握できます。しかし、全盲の私は、NVDAでカーソルのある場所を一つずつ読み上げながら確認します。
もちろん、スクリーンリーダーを使えば多くのことができます。ただ、画面全体の状態を把握したり、大量の情報から必要なものを見分けたりする作業には、どうしても時間と集中力が必要です。
WordPressの操作は、単独歩行に似ている
私は、WordPressなどの画面操作は、視覚障害者の単独歩行に似ていると感じています。
普段から使い慣れている画面であれば、家の中を歩き回るように、あまり苦労せず操作できます。
しかし、しばらく触っていない画面では、「次はどちらへ進めばよかったかな」「このボタンはどの辺りにあったかな」と戸惑います。
久しぶりに訪れた場所で、距離感や方角を忘れてしまい、「どっちに行けばよかったかな」と迷う感覚に近いものがあります。
私も自分のホームページを長い間きちんと管理しておらず、WordPressのプラグインも1年以上触っていませんでした。手順もすっかり忘れていました。
承認待ちのコメントが132件
久しぶりにWordPressのコメント画面を確認すると、承認待ちのコメントが132件ありました。
ほとんどは迷惑コメントのように思えましたが、その中にまともなコメントが1件でも混ざっていないかは分かりません。
目が見える人と一緒に確認すれば、それほど時間はかからないかもしれません。しかし、全盲の私が一人で132件を一つずつ読み上げさせ、内容や投稿者、リンク先などを確認するとなると、かなりの時間と根気が必要です。
そこで、ChatGPTに、「コメント一覧を貼り付けたら、すべて迷惑コメントなのか、まともなコメントが混ざっているのか確認できますか」と相談してみました。

承認待ちコメントが大量に残っていたWordPressのコメント画面。
最初はテキストをコピーして確認
最初は、WordPressのコメント一覧画面をNVDAで全選択し、コピーした文字情報をChatGPTに貼り付けました。
すると、ロシア語や英語の宣伝、SEOサイトへのリンク、記事とまったく関係のない文章などを確認し、迷惑コメントと判断してくれました。
コメントは7ページに分かれていたため、ページごとに同じ作業を行いました。
日本語で書かれたコメントの中には、一見すると普通の感想のように見えるものもありました。しかし、「旅行ブログの記事ではないのに旅行の感想が書かれている」「同じ投稿者が複数の記事に同じような文章を送っている」「本文の中に関係のないサイトへのリンクがある」などの理由を説明してもらうことで、それらも迷惑コメントだと判断できました。
短い時間で132件すべてを確認できたことには驚きました。
途中からスクリーンショットも活用
コメントの内容確認にはテキストのコピーを使いましたが、その後のWordPressの操作では、スクリーンショットも活用しました。
現在どの画面を開いているのか。どのボタンにフォーカスがあるのか。プラグインが有効になっているのか、削除できているのか。そうした状況をスクリーンショットでChatGPTに確認してもらいながら進めました。
私はNVDAを使っているため、TabキーやEnterキーなど、キーボードでの操作方法も合わせて教えてもらいました。
迷惑コメント対策のプラグインも見直した
もともとWordPressには、迷惑コメント対策としてAkismetというプラグインが入っていました。
現在の私のブログは商用ではありません。ただ、今後、広告やアフィリエイト、仕事や活動の紹介などに使う可能性があります。
Akismetは、個人の非商用ブログでは無料で使えますが、商用利用では無料利用の条件に合わなくなります。
そこで、商用利用でも無料で使える迷惑コメント対策プラグインとして、ChatGPTからAntispam Beeを教えてもらいました。
今回は、Akismetを削除し、Antispam Beeをインストールして有効化し、設定するところまで、スクリーンショットで状態を確認してもらいながら進めました。

商用利用でも無料で使えるAntispam Beeをインストール。
最終的には133件を処理
作業をしている間に、迷惑コメントがさらに1件増えていました。
最初は132件でしたが、最終的には133件すべてを選択し、スパムとして処理しました。
承認待ちのコメントは0件になり、Antispam Beeの設定も完了しました。
長い間、「面倒だな」と思って後回しにしていた作業でしたが、実際に始めてみると、思っていたより短い時間で終わりました。

133件をスパムとして処理し、承認待ちは0件になりました。
AIが苦手な作業を補ってくれる可能性
今回の体験で感じたのは、ChatGPTがすべてを代わりに操作してくれるということではありません。実際にキーを押し、画面を移動し、設定を変更するのは自分です。
しかし、大量の情報をまとめて確認すること、画面全体の状況を把握すること、迷惑コメントと普通のコメントを見分けること、久しぶりに使う画面で次に何をすればよいか確認すること。こうした、視覚障害者が時間や集中力を使いやすい作業を、AIが補助してくれました。
面倒で後回しにしていたことでも、まずChatGPTに「こんなことはできますか」と相談してみる。それだけで、意外と早く解決できることがあるのだと感じました。
視覚障害者が苦手としやすい作業に、AIを便利に活用できる可能性を、これからもいろいろ試していきたいと思います。

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